Tiny,tiny

<19冊目>
タイニィ・タイニィ
なんてリアルなんだろう!って思ったのはもう23歳の頃でどうにもこうにも「あの頃」には戻れなくて、わんわん泣いた。

それ以来、私にとって大切な一冊。

簡単なことをわざとわかりにくくまわりくどく語っている、そのやり方にぎゅんときた。そうだよね、「あの頃」ってそういうやりかたをしていた。

誰もかれも必死でなのにとんちんかんでまるで生産性がない。忘れたような顔してしれっと生きてる私たちでも。どこかに「あの頃」受けたし、つけた傷もあるのだと思う。

「たぶんまだなにも好きになったことがないんだだから分からないんだそのうち分かるようになるなにかを好きになるよ」

と。

「なんでもいいからそれが破滅でいいから元どおりに戻れないなにかがしたい。世界なんか滅んでしまってかまわない。」

は。

今でも私の胸を締め付ける。