王国ーアンドロメダハイツー
<18冊目>
祖母と二人で暮らしたことがある。二年程。その頃のことをなんとなく思い出す。あの年代を生き抜いた女の人、独特の匂いが「おばあちゃん」からする。
一緒に野草を採りにいったこどもの頃のことを思い出した。青々しい草の匂いと触れると痒くなる夜露の感触。
「これは、守られている女の子の生き方の物語だ。」
自分の立ち位置をここまであっさりと肯定するなんて!と思った。一人で生きてくことこそ自立なんて言ってた自分がアホみたいじゃん!と思った。
実はこの小説を読んだのは母の死後すぐだったので、悲嘆にくれていた私はこの一文に打ちのめされて以降一切読めなくなった。
情けねえなあ。
でもさ、自分が「守られている」ってことを自覚するってとても難しいことだと思う。
少しだけ大人になった今、このハードルの下げっぷりがとても優しくて、ぼんやりとそうか私は「回復の過程」にあるのかと思う。